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家の断熱 2
建物の一般的な断熱について説明します。 |
天井断熱 屋根断熱
天井断熱
天井面で断熱するのが天井断熱です。
天井の上に断熱材をのせたりする方法で、一般的に行われている工法です。
小屋裏天井にも断熱材を配置する必要があります。
小屋裏換気で、冬でも外気が入ってくるので小屋裏は断熱されません。
天井裏に断熱を施し、天井面積分だけを断熱すればよいので、施工が楽な上に経済的。また、
断熱材を簡単に厚くできるというメリットがあります。
≪長所≫
・ 各地域に対応した温熱環境にできる
・ 断熱材の厚さが選択できる
・ 次世代省エネ基準に容易に対応できる
・ 屋根工事が先にできる
屋根と断熱・気密部分が独立しているので、複雑な形をした屋根など、屋根の形を自由にできる
・ 防風層がいらないので、その分の材工費がコストダウンできる
≪短所≫
・グラスウールやロックウールなど、鉱物繊維系の断熱材は透湿性が大きく、吸湿性がないので、
結露が起こりやすいので、断熱材の内側に防湿を施す必要がある。
・ 天井と外壁、天井と間仕切り壁、それぞれの取り合い部分が空隙で連続的につながっているので、
繊維系の断熱材で施工する時断熱材相互の配置に気を配らないと、壁内に気流が発生し、十分
な断熱効果が得られない事がある。
屋根断熱
屋根面に沿って断熱するのが『屋根断熱』。
屋根勾配なりの野地板の上に断熱材を張る。
小屋裏は断熱材の内側で室内扱いとなり断熱処理が不要。
屋根面まで吹き抜けにして使えますし、ロフトを造ることもできる。
≪長所≫
・ 温暖地の冬期に適する
・ 家の中の温度差がが極めて小さい
・ 断熱材が構造体の外側なので、結露が起こることがなく、腐朽の恐れが少ない
・ 屋根空間を利用できる
・ スチレンボードは、透湿抵抗があるので、防湿層を施す必要がない
(防湿・気密シートを気密層として設置するのが望ましい)
・ 小屋組や野地板を現せ、意匠性が良い
≪短所≫
・ 寒冷地では次世代省エネ基準対応が困難
・ 複雑な屋根は困難
・ 通気層が必要
・ 次世代省エネ基準レベルは高価格
・ 厚手のスチレンやウレタンボードなどは施工性が困難
真夏の屋根の表面温度は、太陽の射熱により70℃近くにも上がります。
小屋裏換気口がある口妻屋根でも、この時の小屋裏の空気温度は55℃以上にもなり、この熱は
夜間まで蓄熱されていきます。
天井断熱と屋根断熱の各所温度比較
天井断熱
午後2時 外気温32℃ 天井断熱 屋根断熱
屋根表面温度 57.0℃ 58.8℃
屋根裏面温度 50.1℃ 37.9℃
小屋裏空間温度 43.2℃ 36.6℃
天井表面温度 37.4℃ 35.8℃
室内空間温度 38.7℃ 36.3℃
寒冷地のように、上部に逃げる伝導熱を遮れば問題が解決する場合は有効ですが、夏に冷房が
要求される地域では天井裏にどんなに厚い断熱材が入っていても、小屋裏の熱は熱伝導によって
徐々に2階の天井に伝わり、2階天井表面温度は30℃以上にもなってきます。
夏場はこの輻射熱によって2階の部屋はいくらエアコンを付けても(天井からの放射熱で)涼しく感
じません。むしろ、夏の屋根からの熱射をいかに防ぐかを考えなければならない地域では、冬に向
けたこの断熱技法だけでは不十分なのです。
また、天井断熱の場合、小屋裏は外気と同じ温度になることが前提ですから、小屋裏部屋を設ける
場合など、如何にこの熱を逃がすかを考えないと、使用することも困難になります。
屋根断熱
午後6時 外気温27℃ 天井断熱 屋根断熱
屋根表面温度 28.8 30.5
屋根裏面温度 34.4 35.8
小屋裏空間温度 35.8 34.7
天井表面温度 39.0 34.7
室内空間温度 38.1 35.7
屋根の野地板を二重にして、屋根材の直下に通気層をとり、野地板のすぐ裏側で断熱をとる屋根
断熱の場合は、屋根面の日射熱はその裏側の通気層で効率よく排熱されるため、2階の部屋で
エアコンを使用している場合の小屋裏の空気温度は、外気温度マイナス3〜4℃程度に留まります。
そのため、2階天井も表面温度が上がらず、夏場にも(天井から輻射熱を感じないため)、快適な
冷房環境が作り出せるのです。また、小屋裏は室内空間と同様に扱われるため、小屋裏に部屋を
設けることも簡単にできます。
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